イスラエル航空当局が2023/3より4発エンジン搭載機体の乗り入れを禁止することで、改造済みボーイング747貨物機に影響与える可能性大との見解
2022.09.21
イスラエル航空当局は2022年9月2日に、騒音と大気汚染を減らし環境へ配慮することを目的として、イスラエル領空の4発エンジンを搭載する航空機の乗り入れ禁止を発表しました。 禁止は2023年3月31日から施行されることになっていますが、実際にはこの発表によって、施行日よりも早い段階での航空機の運航を調整する可能性があると考えられています。
コロナ禍の影響により、ボーイング747旅客機が広範囲にわたって製造中止となったことを受け、2022年9月7日に、IBAの評価担当ディレクターであるマイク・ヨーマンズ氏は、イスラエルのフラッグキャリア、エル・アルが運航する改造済み747貨物機の受ける影響が、最も大きいだろうと明らかにしています。
また、マイク・ヨーマンズ氏は次のようにも述べています。
「IBA Insightによると、今年イスラエルのテルアビブを出発した4発エンジンを搭載する航空機の約98%が貨物機でした。4発エンジンを搭載する航空機の数は減少しており、エル・アルのボーイング747旅客機が2019年に運航を終了したことを受けて、テルアビブから運航するものはまだほとんどありません。初期の報告によると、ライセンス契約に基づくいくつかの免除がありそうです。しかし特大の航空貨物のための実行可能な無積載の代替航空機がない現状から、こうした免除はボーイング747貨物機に適用されるとIBAは、考えています。」
代わりに、この禁止措置はボーイング改造済みボーイング747に最も影響を及ぼすと思われます。これにより、イスラエル航空宇宙産業(IAI)とエアキャップが開発中のボーイング777-300ERSFを含む、新世代の改造双通路型ワイドボディの需要を牽引することになりそうです。IAIによると、777-300ERSFは747-400BCFに比べて容積が15%増え、747-400Fに比べて燃料消費量が21%少なくなるとされています。4発機に対して同様のスタンスを取る国や空港が増えれば、777-300ERSFや同世代の航空機が恩恵を受けることになるでしょう。
エアバスA350Fは2025年、ボーイング777-8貨物機は2027年の就航が予定されており、前者は老朽化したボーイング747貨物機の代替市場をしっかりとターゲットにしています。
環境への影響について
ネットゼロに向けた持続可能な目標への挑戦は、多くの4発エンジンを搭載した航空機廃止の主要な推進力となっています。現在、世界で最も多く運航されている4発エンジンを搭載した航空機は、エアバスA380です。現在、このタイプの航空機はテルアビブには就航しておらず、世界中で稼働している航空機は122機のみです。しかしIBAは、航空業界向けカーボン インデックスでA380 の利用が最近回復していることに注目し、2022年7月には前年比で177%増加したことを示しています。
IBA ネットゼロの炭素排出量データによると、2022年現在、テルアビブからの出発便に占める4発エンジンを搭載した航空機はわずか0.8%で、出発便の総CO2排出量の2.2%を占めていることが明らかになっています。
IBAネットゼロは、現在利用可能な最も先進的な金融に特化した炭素モデリングツールであり、当社がその先頭を走っています。IBA独自の燃料消費インテリジェンスを搭載しており、フライトおよびフリートモジュールと統合すると、期間、航空会社、リース会社、航空機のMSNとモデル、フリート、将来のポートフォリオ、OEM、国、空港、ルートの組み合わせによって、炭素排出量を図示することが可能です。
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IBAについて
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航空業界において30年以上の伝統と経験を持つ、革新的かつ先進的な独立企業であるIBAは、5年にわたり顧客から「Appraiser of the Year(鑑定士・オブ・ザイヤー)」に選ばれ続けており、最近では炭素排出量計算ツールで「Sustainable Technology award(サステナブルテクノロジー賞)」を受賞するなど、その誠実さ、確固たる独立性、継続的な革新性を誇りをもっています。
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