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体表面に創(キズ)を作らない期待の低侵襲手術 成功!

2023.06.29

一般財団法人 倉敷成人病センター
ネットサービス

倉敷成人病センターは、2023年6月28日(水曜日)に国内で初めて、最新手術支援ロボット「ダビンチSPサージカルシステム(以下、ダビンチSP)」を使用した自然孔(女性の腟  (ちつ))からロボットを挿入し、手術を行う「ロボット支援下経腟的内視鏡手術」を実施し、成功いたしました。なお、海外でも実施された記録はありません。 ダビンチSPを使用した経腟的内視鏡手術は国内初の症例になります。

通常の腹腔鏡下手術(ロボット支援下含む)では、患者さんのお腹に数箇所穴を開けて手術をしますが、最新のダビンチSPは1箇所のキズで手術ができます。その特徴を生かし今回、口、肛門、腟など、元から開いている「人体の穴」を利用することにより、体に開ける穴の数を無くすことが可能となりました。最大のメリットは、お腹にキズをつけずに手術ができることで、患者さんの痛みや美容面など、手術によるストレスや負担を大きく軽減します。(ただし、大きい腫瘍や癒着のある症例など、全ての症例において適応されるわけではありません)

使用した最新のダビンチSPは、手術に使う3本の鉗子(かんし)と、カメラを1本の手術アームに集約し、1箇所のキズで手術が可能。ダビンチは手術機器を動かすロボット本体と、医師がロボットを操作するためのコンソールという装置、手術の様子を映すためのビデオシステムで構成されています。ロボット本体を患者さんにつないだ上で、執刀医はコンソールに座って遠隔で操作を行います。

当院では、以前より経腟的な内視鏡手術を行っていましたが、今回ダビンチSPを使用して行うのは、初めてとなります。これまで行っていた方法に比べるとロボットの利点を生かし、より精密な手術が可能になると考えられます。狭い範囲で手術を行うため、手術難易度は高くなりますが、最新の医療技術と多数の日本ロボット外科学会認定専門医、内視鏡外科技術認定取得医をはじめ、腹腔鏡下手術の修練を積み、習熟した医師のもと、安全に行っています。

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