双子用(2人乗り)ベビーカー 「前席」と「後席」ではどちらが暑い? -真夏の移動では「前席」の赤ちゃんへの暑さ+紫外線対策が必須-
2026.04.21
株式会社アクションリサーチ代表取締役 北 徹朗(武蔵野美術大学身体運動文化教授・博士(医学))は暑熱環境下における双子用ベビーカー走行時の、赤ちゃんの頭部ならびに足元周辺の温度上昇・紫外線暴露量の観察を行いました。
双子用ベビーカーの「前席の足元」は、気温が高くなりやすく紫外線を浴びやすい
<近年、双子の割合が増加し続けている>
厚生労働省が2026年2月26日に発表した人口動態統計(速報)によれば、2025年に生まれた子どもの数(日本で生まれた外国人や外国で生まれた日本人を含む)は、前年比2.1%減の70万5809人となり、10年連続で過去最少を更新した。
国立社会保障・人口問題研究所が2020年の国勢調査に基づいて2023年に公表した将来推計人口では、2025年の出生数は77万4千人としており、70万1千人となるのは42年と予測していた(中位推計)がそれを上回るスピードで減少している。
他方、近年、双子や三つ子などの、いわゆる多胎児の誕生が増え続けている。この傾向は世界的なものであり日本だけではない。多胎出産の増加の背景には、晩婚化などで出産年齢が上昇し、不妊治療をはじめとする補助生殖医療が発達したことが要因とみられている。
<双子の保護者が辛いのは「外出・移動」>
多胎育児を経験する保護者に対する調査(日本財団ジャーナル,2023)によれば、育児中に辛いと感じる場面として「外出・移動が困難」(89.1%)が最も多いとされている。近年の厳しい夏の暑さなど、双子を育てる保護者にとってはさらに負担度合いは増していると思われる。
そこで、本研究では、双子用ベビーカーの前席と後席では、①どちらの席が暑いのか? ②どちらの席が紫外線を浴びやすいか?を調べることとした。
実験結果
<頭部周辺温度について>
・60分間のデータ平均値を比較すると前席が37.8℃、後席が37.9℃であった。
・後席の方が0.1℃平均温度が高かったが、前後席の頭部周辺における温度差についてはほぼ相違はないと言えるだろう。(最大温度:前席40.2℃、後席39.8℃)(図1左)
<足元周辺温度上昇について>
・60分間のデータ平均値を比較すると「前席」が41.3℃「後席」が37.7℃となった。
・後席に比べて前席は3.6℃も高く41.3℃となった。(図1右側)
<紫外線量について>
・データロガーに10秒おきに送信される紫外線量の累積値が最も多かったのは、「前席の足元周辺」であった。次いで「後席の足元周辺」多かった(図2)。
・このデータからもわかるように、前席の赤ちゃんの足元周辺の紫外線対策は必須である。また、後席も比較的高い値が検出された。足元周辺には幌がないため、前席・後席を問わず、紫外線対策が必須であろう。
・3番目に紫外線累積量が多かったのは「前席の頭部周辺」であり、最も少なかったのは「後席の頭部周辺」 であった。
まとめ:前席の赤ちゃんへの対策方法
①前席の足元は気温が高くなりやすく紫外線を浴びやすい
・前後式ベビーカーでの真夏の移動において、前席の足元は後席に比べて4℃近く暑くなる。
・同じく、前席の足元における紫外線レベルは約4倍高い。
②前席の赤ちゃんへの対策法
・特に前席の子どもの暑熱対策と紫外線対策(日よけやクーリング)が肝要である。
・後席の足元周辺においても紫外線を浴びやすいため、赤ちゃん用の日焼け止めなどを適切に使用するなど対策が必要である。
・数分おきに子どもの乗車位置を入れ替えるなどの配慮も有効。
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※実験概要※
・実験日時:2025年8月20日(水)10時50分~11時50分
・実験開始時のWBGT33.9℃、気温39.7℃、風速0.16m/s
・実験終了時のWBGT31.5℃、気温39.0℃、風速0.22m/s
・実験場所:東京都内の大学敷地内駐車場
・実験方法:市販される双子用ベビーカーに赤ちゃんマネキンを乗車させて走行させた。
・データ測定内容:①頭部周辺の温度 ②足元周辺の温度 ③頭部周辺の紫外線量 ④足元周辺の紫外線量
株式会社アクションリサーチの事業概要
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