『Hong Kong Films @ Tokyo 2024』 大盛況のうちに閉幕
2024.12.01
2024年10月30日から11月1日までの3日間、東京国際映画祭と併催された「TIFFCOM (映像コンテンツマーケット)」内で開催した「Hong Kong Films @ Tokyo 2024」(共催:香港映画発展局(HKFDC)、文化産業発展処(CCIDAHK)、香港貿易発展局(HKTDC))は、大盛況のうちに閉幕しました。香港映画界の巨匠が来日し、日本の映画人と共に登壇した特別セミナーは、香港映画の魅力、そして映画制作における文化を超えた協力の重要性を深く掘り下げ、次世代の映画人に熱く語りかけ、多くの映画業界人および映画愛好家を魅了しました。また、香港パビリオンが初出展した本イベントでは、多彩な香港映画や関連サービスが紹介されました。
「香港―アジア映画共同製作助成制度受賞プロジェクトの成功事例紹介」
「香港―アジア映画共同製作助成制度受賞プロジェクトの成功事例紹介」のセミナーでは、香港映画育成ファンド「香港―アジア映画共同製作助成制度(HK-Asian Film Collaboration Funding Scheme)」で受賞し、約900万香港ドル(約110万米ドル)の助成金を獲得した映画2作品の製作チームが参加しました。「酒色男女」(洋題:All the Things We Have Done Wrong That Led Us to This)をプロデュースするスタンリー・クワン氏、監督を務める松永大司氏、脚本家の李駿碩(ジュン・リー)氏、そして「38.83」をプロデュースする古賀俊輔氏、監督および脚本を担当する卓韻芝(ヴィンシー・チュク)氏が登壇し、パネルディスカッションを行いました。香港人と日本人の恋物語を描く「酒色男女」は、ジュン・リー氏が、英語でシナリオを執筆し、松永大司監督との意見交換を重ねながら、物語を練り上げた作品。「エゴイスト」などのヒット作を生み出した松永監督は、香港と日本の異文化が交わる中での映画製作について語り、「文化の違う方々と映画を作るのは挑戦的だが、アジアの素晴らしい映画メーカーたちと新しい可能性を探りたい。特に、難しいと思うこともありますが、新しい作り方もあると学びました」と述べました。松永監督は「大胆に映画の核を作り、キャラクターを重視しながら、感動的なラストを迎える」という香港映画のアプローチに感銘を受けたことを明かしました。さらに多くの作品にプロデューサーとして携わってきた古賀氏は、人との出会いを大切に思い、このプロジェクトに参加したと話し、「国が異なると育ち方や学び方が違うため、映画制作でもかけ違いが沢山起きると思います。それこそが作品に新たな深みをもたらす。良い部分を取り入れて、アジア的な映画作りを完成させていきたい」と国際共同製作が生み出す可能性を語りました。「ルージュ」「ロアン・リンユィ阮玲玉」などの「ルージュ」「ロアン・リンユィ阮玲玉」などの多くの影響を与えた監督として知られるスタンリー・クワン監督は、同作品について、「主役の二人の魅力と、感動的なエンディングに心を打たれた」と絶賛し、若い監督への支援についても言及されました。「資金調達は世界中の若い監督にとって大きな課題だが、現在、香港では多くの支援が提供されている。特に長編映画を作る監督に対しては、多くの機会を与えている」と語り、資金調達の重要性を語りました。
「カンフー映画:過去、現在、そして未来」
セミナー「カンフー映画:過去、現在、そして未来」には、香港アクション映画界の巨匠、洪金寶(サモ・ハン)氏、アクション俳優の倉田保昭氏、アクション監督の谷垣健治氏が登壇されました。俳優から武術指導、監督、プロデューサーと幅広く活躍し、多大な功績を残すサム・ハン氏は「様々な先生について、育ててもらいました。私が恩返しできるのは、努力。それしかありません」と話し、武術家、フィルム映画として、カンフー映画を全世界へ伝承する使命を語りました。また、「映画界で重要なことは、武道家、アクション指導の担当、映画製作人、互いのリスペクトだ。また、観客の支持なくては、我々は輝くことはない」と、語りかけました。また、谷垣氏は「香港にはアクション映画の指導者が、翻訳、撮影、編集をすべて一手に引き受ける。これは日本とは異なり、非常に良い教育を受けられたと感じている。」「海外で撮影しても、香港映画での感覚を忘れることはなかった。香港映画は世界中に影響を与えている。」と香港映画がもたらした影響力について力強く語りました。また、倉田氏は、世界を制覇する香港アクションと説き、「香港があるからこそ、今の自分がいる」と香港映画への敬意が示されました。
アジアの有力な映像コンテンツ見本市の一つである「TIFFCOM(映像コンテンツマーケット)」内では、香港パビリオンが初出展し、多彩香港映画や関連サービスが紹介されました。香港証券所のメインボードに上場している唯一の知財管理会社として、様々な市場での潜在的な投資プロジェクトを模索する羚邦集團(Medialink Entertainment Limited)は、日本のアニメ映画、実写映画などを取り扱っており、本イベントに参加した感想を次のように語っています。「TIFFCOMは私たちが参加した重要なマーケットのひとつです。日本のライセンサーやクライアントとは長期的な関係を保っていますし、新しいつながりもできました。」
また、業界での認知向上を目指すテクノロジー企業、米特元宇宙有限公司(Metason Limited)のマネージングディレクターを務める宋氏は、映画製作におけるロケ地の選定、および建物から飛び降りるアクションシーンなどの撮影シュミレーションに活用できる3Dマップサービスを紹介しました。そのほか、「香港パビリオン」には、双喜電影(A Really Happy Film)、卡布影業(Cappu Films Limited)、安樂影片 (Edko Films Ltd.) 、英皇電影(Emperor Motion Pictures)、高先電影(Golden Scene Company Limited)、覓一(MakerVille Company Limited)、無限動力實業(Entertaining Power Co.Limited)、寰亞電影(Media Asia Film Distribution Ltd.)、mm2香港、香港國際電影節電影業辦公室及科技公司(HKIFF Industry) が参加されました。これらの香港の映画配給会社や映画制作会社企業は、香港の映画作品やサービスの魅力を広くアピールし、国際的なパートナーシップや商機の拡大を目指しました。
会期中には、映画『お父さん』のワールド・プレミア上映が行われたほか、『母性のモンタージュ』『ラスト・ダンス』『赦されぬ罪』『トワイライト・ウォリアーズ 決戦!九龍城砦』など様々な最新香港映画作品が紹介されました。「Hong Kong Films @ Tokyo 2024」を通じて、香港映画の魅力と可能性が一層広がり、国際市場における新たな商機が生まれることが期待されています。
本プロモーションは今年、フランスのカンヌと韓国の釜山の主要映画祭でも展開されました。また、今年のTIFFでは、香港映画が注目を集め、香港を代表する俳優トニー・レオン氏が国際コンペティション部門の審査委員長を務めたほか、著名な監督ジョニー・トー氏も審査員として参加しました。
香港貿易発展局の事業概要
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- 事業名
- 香港貿易発展局
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- 業種
- その他の業種
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- 事業内容
- 香港貿易発展局 (HKTDC) は1966年に設立された公的機関であり、香港の貿易の促進、支援、発展を担っています。香港貿易発展局は中国本土の13カ所を含めて世界50カ所に事務所を設置し、香港が双方向でのグローバルな投資とビジネスの拠点となるよう尽力しています。香港貿易発展局は中小企業を主な対象に、中国本土および国際市場におけるビジネスチャンスを創出するため、展示会、国際会議、ビジネス使節などを運営・実施しています。また、最新の市場分析や製品情報を、貿易関連のデジタルニュースなどのチャネルを通じて提供しています。 詳しい情報は公式サイト:www.hktdc.com/aboutus(英語)、www.hktdc.com/Japan (日本語)をご覧ください。フェイスブックを通じて日本語での情報発信も行っています。 www.facebook.com/HKTDC.Japan
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