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建設会社の社内平均年齢が1年で7歳若返り。Web・オフラインの両施策で高齢化・人手不足をクリア
2025.02.14
福井県敦賀市の建設会社、岸本建設株式会社は2024年の4月から12月にかけて、採用活動の強化を行い、3名の若手人材(内定含む)の採用に成功しました。これにより、社内の平均年齢が7歳若返りました。
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採用強化の背景
建設業界は、2019年4月に施行された働き方改革関連法の猶予期間が終了する、いわゆる「2024年問題」によって、月45時間、年間360時間を超える時間外労働が禁止されました。
その煽りを受け、2024年の建設業の倒産は1,924件に達し、2015年以降の10年間で最多となったといいます。
さらに2025年には団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となります。弊社の従業員の平均年齢は50歳を超えており、社内の最年少も41歳です。
これらの理由から、「若手を中心とした採用活動が急務」となったため、地方の建設業では実施する企業も少ないWeb施策を含めた採用強化をスタートしました。
その結果、施策開始から半年で3名の若手人材の採用に成功しました。
なぜ3名の若手を採用できたのか
岸本建設株式会社では、2024年当初、社員の平均年齢は53.4歳であり、最も若い従業員も40代という高齢化となっていました。その中でどうすれば若手の採用ができるのか。人材確保のために実施した施策は以下の通りです。
・2024年問題の規制よりもさらに働きやすい環境に
2024年問題により労働時間が規制されますが、その規制と同じラインでは、真の意味で「働きやすい環境」はつくれません。従業員への給与は変えず、年間休日を2023年よりも40日増加させ、時間外労働も月10時間程度に抑えるようにしました。
・建設業では注力される企業が少ないWeb施策の実施
若い方々に当社をアピールするために、WebサイトとYouTube動画、グーグルビジネスプロフィールを作成しました。当社は今までWebについての施策は何も行ってきませんでしたが、「Webサイトを見て、貴社に惹かれました」という若手の方もおり、一定の成果を得ることができました。
岸本建設HP
https://kishimoto-tsuruga.co.jp/
・建設ディレクターの育成
業務量は変わらず、労働時間が減少するなかで負担が大きいのは現場の従業員たちです。建設の現場で作業をする技術者は、現場での仕事だけでなく書類の作成など事務的な業務も行わなくてはなりません。そういった技術者の仕事を支援する「建設ディレクター」の育成も開始しています。
弊社の建設ディレクター インタビューYouTube動画
https://youtu.be/IabPz-HsFgw?si=294xSxeba8uoNK9R
今後の展開
若手人材の教育をしていくとともに、若手社員からも教育をしていただこうと考えております。WebやIT、DXなどの施策はデジタルネイティブである若手人材のほうが得意だと思っています。そこでベテランからは建設スキルの共有を、若手社員からはデジタルスキルの共有を交換していただき、社内全体のスキル向上を目指して参ります。とくにWeb施策においてはSNS・Web広告など、まだまだ打てる施策は残っています。アグレッシブに挑戦していく所存です。
また、建設業界ではこれからますます高齢化や人手不足が深刻化していくと思われます。特に弊社のような地方の建設会社は、若手の人材確保が喫緊の課題になるでしょう。
そんななかで地方の小規模の建設会社である弊社が人材確保の成功を実現し、そのノウハウを発信することによって同じ課題をもつ企業さまに貢献したい、ひいては建設会社全体の人材問題に一石を投じて行きたいと思っています。
岸本建設株式会社の事業概要
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- 事業名
- 岸本建設株式会社
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- 業種
- その他の業種
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- 事業内容
- 土木
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- 所在地
- 敦賀市衣掛町518
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- 電話番号
- 0770-25-2880