
竹皮包装の老舗が全国の竹林団体と協働へ
2025.05.23
吉田包装店(岐阜県可児市・代表;吉田 毅)二代目・吉田毅は、竹皮を扱う伝統の技を受け継ぐ職人は国内で希少となり、東海地方最後の職人として、2025年6月、全国の竹林保全団体と連携し、整備時に眠る竹皮に再び息吹を与える資源循環プロジェクトを本格始動します。このプロジェクトは地域社会が直面する課題への持続可能な解決策を提示し、資源循環と伝統技術の継承として新たな未来への循環を力強く推し進めます。

竹林管理の衰退と素材供給危機
現在、日本の竹林面積は約16万haにのぼり、その多くが管理されず放置されているため、生態系や農地への悪影響が深刻化しています。かつて副産物として流通していた竹皮も利用が減少し、環境にやさしい素材として再評価されている一方で、原料供給の不安定化と職人の減少により、竹皮加工の伝統工芸は存続の危機に瀕しています。吉田包装店は創業以来89年、竹皮包装資材として製品化を手作業で続けており、現在、東海地方で唯一その技術を保有する存在となっています。
“廃棄物”から伝統資源へ
本プロジェクトでは、梅雨時期(6月上旬)の筍採取シーズンに合わせて、全国の竹林整備団体に対し、整備作業中に自然に剥がれ落ちた真竹の皮や、伐採時に発生する竹皮の収拾協力を正式に呼びかけます。収拾された竹皮は吉田包装店が適正価格で買い取り、自社工房で選別・加工。高品質な環境配慮型包装材として製品化し、伝統工芸品としての価値を再生します。
資源循環プロジェクトと協働によるメリット
資源循環プロジェクト:伐採時・竹林整備時に収拾された竹皮を買取すること。
メリット
・経済的支援:竹皮の適正価格で買い取ることによる整備活動の収益化
・社会的評価:環境保全と文化継承に貢献する社会的意義の明確化
今後の展望
今後の展望
吉田包装店では、本取り組みを起点に、学校・飲食業・環境団体とも連携を広げ、竹皮製品の価値を広く社会に伝えるとともに、放置竹林の有効活用や防災面での効果にも注目しながら、持続可能な森林管理と文化継承を両立する新たなモデルづくりを進めていきます。
代表コメント
「竹の皮が落ちる期間は梅雨の約1か月間 雨が降っていると拾えないし、落ちないので拾えるのは実質正味わずか2週間ほどという限られた期間にしか収拾できない貴重な資源です。東海地方最後の竹皮職人として、この技術を次代に残すためにも、全国の竹林団体との協働が不可欠です。これまで廃棄されていた竹皮が伝統工芸の命をつなぎ、竹林整備の経済的インセンティブにもなる。この循環を皆さんとともに創り上げていきたいと考えています。」
―吉田毅(吉田包装店 代表)―

吉田包装店の事業概要
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- 事業名
- 吉田包装店
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- 業種
- その他の業種
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- 事業内容
- 竹皮包装資材の製造・販売、竹林資源の利活用事業
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- 所在地
- 岐阜県可児市坂戸873-2