「アジア・グローバルヘルス・サミット」「香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア」
2026.05.22
盛況のうちに閉幕 1,000件超の投資・ビジネスマッチングを実施
医療関連企業の海外展開を支援するMOUも多数締結
国際的な医療イノベーションおよび投資ハブとしての香港の存在感を示す
香港の国際ヘルスケアウィークを代表する2大イベントとして開催された第6回「アジア・グローバルヘルス・サミット」と第17回「香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア」には、世界のヘルスケア業界のリーダーが一堂に会し、5月13日に盛況のうちに閉幕しました。同サミットには、43の国・地域から約3,000人が参加し、400件を超える1対1の投資・ビジネスマッチングが実施されました。医療分野におけるAI(人工知能)の活用を中心に、複数の協業案件やMOU(覚書)が締結されました。一方、香港国際メディカル&ヘルスケア・フェアには、61の国・地域から約13,000人のバイヤーが来場しました。会期中には670件を超えるビジネスマッチングを実施し、具体的な商談やパートナーシップ構築が促進されました。両イベントを通じ、合計1,000件を超える質の高い商談・協業機会が創出され、医療技術、投資、産業応用の連携による相乗効果が示されました。また、香港が国際的な医療イノベーションおよび投資ハブとしての役割を担っていることが改めて示されました。
アジア・グローバルヘルス・サミット(ASGH):世界の医療リーダーがヘルスケアイノベーションとAI活用について議論
5月11日から12日かけて香港コンベンション・アンド・エキシビション・センター(HKCEC)で開催されたヘルスケアサミットは、香港特別行政区の李家超(ジョン・リー)行政長官による開会挨拶、および香港貿易発展局のフレデリック・マー(馬時亨)会長の歓迎挨拶で開幕しました。「Fuelling Healthcare Breakthroughs(医療分野におけるブレークスルーの創出)」をメインテーマに、世界各地から90人を超える医療政策担当者、ノーベル賞受賞者、投資家、著名な業界リーダーが登壇し、公衆衛生、最先端医療技術、AI、医療投資、シルバーヘルスなどに幅広い分野について議論が行われました。
プレナリーセッションI「Strengthening Pandemic Preparedness through Global Collaboration(グローバル連携によるパンデミック対策強化)」では、香港特別行政区政府医務衛生局長の盧寵茂(ロー・チョンマウ)教授が基調講演を行いました。続いて、ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)副学長・感染症疫学教授のIbrahim Abubakar 氏が、パンデミック発生前から研究基盤や感染症対策インフラ、ならびにAI技術への長期的投資の重要性を強調しました。さらに、世界保健機関(WHO)ヘルス政策・システム研究アライアンスエグゼクティブディレクターを務めるマナン・ラサナサン医師など著名なリーダーが登壇し、各分野における知見が共有されました。
プレナリーセッションII「Fuelling Healthcare Breakthroughs(医療分野におけるブレークスルーの創出)」では、グラクソ・スミスクライン(GSK)のジョナサン・シモンズ取締役会長が登壇し、先進国における高齢化、少子化、慢性疾患の増加により、医療課題が経済問題へと発展しているとの見解を示しました。また同セッションでは、第一東方投資集団(ファーストイースタン・インベストメント・グループ)会長兼最高経営責任者(CEO)の諸立力(ヴィクター・チュー)氏がモデレーターを務め、JPモルガン証券アジア太平洋地域投資銀行部副会長兼ヘルスケア投資銀行本部長のデイビッド・ラウ氏など著名な業界関係者による活発な議論が展開されました。
「Dialogue with Global Pioneer in Health」セッションでは、
2013年ノーベル化学賞受賞者であり、スタンフォード大学医学部の教授を務めるマイケル・レヴィット氏が登壇しました。同氏は、香港の医療システムと高品質な統計データは、長寿研究などにおいて米国や他地域以上に研究価値を有する可能性があると述べました。
会期中には、AI医療に焦点を当てたセッションから高齢化社会への対応をテーマとしたセッションまで、幅広いテーマの分科会が開催されました。「Transforming Healthcare through Digital Health & AI Innovations」では、ファイザー社のインターナショナル部門ビジネストランスフォーメーション統括シニアディレクターのNatasha Chhatrapati氏がパネリストとして登壇し、AIが創薬、臨床研究、患者ケア、医師とのコミュニケーションに至るまで、医療全体のプロセスを大幅に効率化していると説明しました。さらに、高齢化社会への対応をテーマとした「Unlocking Growth in Silver Health: From Precision Medicine to Smart Ageing Innovations」では、トロント大学国際連携担当副学長およびAGE-WELL社のサイエンティフィック・ディレクターを務めるアレックス・ミハイリディス博士が登壇し、シニア向けテクノロジーの普及には技術そのものに加え、サービス提供モデルや政策支援の重要性も高いとの見解を示しました。 また、新設した「CSO Insights: Catalysing Scientific Breakthroughs and Investments for Future Health」では、研究戦略や科学的成果を実用化へとつなげる取り組みについて議論を行いました。中国のフォースン・ファーマ(復星医薬)の李翔氏は、研究開発初期段階から未充足医療ニーズや臨床試験の課題を把握する重要性を強調しました。
注目のASGH「スタートアップゾーン」 日本から2社が出展
また、同サミットのスタートアップゾーンには、日本からHUMANITY VISION合同会社および株式会社hafの2社が出展しました。
米国オハイオ州コロンバスに本社を構えるHUMANITY VISION合同会社は、予防医療に注目が集まるなか、身体・メンタルヘルスの早期発見を捉えるアプリを紹介しました。同社は会期中の2日間にわたり多数の商談および面談を実施し、複数の投資家との面談機会を得ました。同社の松本氏は、本イベントについて「香港貿易発展局のイベントの中でも特に医療・ヘルスケア分野に特化した専門性の高いイベントであった」と評価しました。また、同氏は、過去に参加したInnoEXについても有意義なイベントであったとしつつその上で、このイベントが医療分野に特化しているため、より高い専門性とマッチング精度が感じられたと述べ、来年以降の再出展について前向きに検討していることを明らかにしました。
一方、北海道・札幌市に拠点を置く株式会社hafは、会期中に多数の問い合わせを受けました。特に大学関係者から共同研究や連携の可能性に関する相談が多く寄せられたとしています。同社は、投資家との接点を持つ参加者とも複数回面談を実施しました。これらの参加者を通じて投資家の紹介につながる可能性があることから、今後フォローアップを実施し、投資家との接続可能性について引き続き検討を進めるとしています。
投資・ビジネスマッチングを通じた協業促進
同サミットでは、世界中のプロジェクトオーナーや投資受入れを希望する企業と投資先を探す投資家とを繋ぐ「ディール・メイキング・セッション」が実施され、400件を超えるビジネスおよび投資マッチングが実施されました。投資機関および医療・ヘルスケア関連企業が欧州、米国、アジア、ならびに香港・広東・澳門大湾区から参加し、投資、技術展開、市場拡大に向けた機会が探られました。TusPark Holdings(英国)は、英国の医療・ライフサイエンス企業約15社を率いて、英国パビリオンに出展しました。ASGHは有益なネットワーキングプラットフォームとして機能し、現在、英国と香港の機関によるがん研究分野での重要な連携が進められました。フィンランドのAQ Biotechは初出展となりました。アジア市場開拓を目的として参加しました。香港について、国際的な信頼性、ネットワーク、商業的知見を備えたグローバル展開の重要拠点であるとの認識が示されました。
また、ASGH Business HubおよびInnoHealth Showcaseでは、12の国・地域から約180社のヘルスケア・イノベーション企業が集結しました。バイオテクノロジー、デジタルヘルス、医療技術分野における最新ソリューションが紹介されました。
MOU締結および「GoGlobal」支援を強化
サミット会期中には、計10件の医療関連の覚書(MOU)が締結されました。主な事例として、香港の大手民間医療グループHKSH Medical Groupとドイツのシーメンスヘルシニアーズの間で提携が締結されました。また、AI医療文書プラットフォームを提供するHeidi Healthは、EC Healthcareおよび香港メトロポリタン大学とそれぞれ提携しました。これらの連携により、AIを活用した医療アプリケーションおよび臨床研究分野における協力が強化されました。特にHKSH Medical GroupとSiemens Healthineersは、アジア初となるPhoton Counting CT Simulation(PCCT-Sim)リファレンスサイトの設立に合意しました。
2日目には、「GoGlobal CONNECTシリーズ:Hong Kong as a Superconnector to Empower Global Expansion of Pharmaceutical Enterprises」ワークショップが開催されました。本ワークショップでは、規制、臨床試験、知的財産保護、流通などの分野における専門家が集まり、海外展開に向けた実務的な知見が共有されました。粤港澳大湾区国際臨床試験研究機構のチーフ・エグゼクティブ・オフィサーであるBernard Cheung教授は、香港の公立病院において約30年にわたる電子医療記録が蓄積されている点に言及しました。このデータは長期的な疾患研究に活用できる貴重な資産であり、香港のみならず世界にとっても有用であるとの見解を示しました。 また、会場内には「GoGlobal Connect」およびBusiness of Healthcare Advisory Zoneが設けられ、医療関連企業が専門サービス事業者と接点を持ち、海外展開に向けた実務的支援が提供されました。Guangzhou Wondfo Biotechの営業・マーケティング地域統括責任者であるMark Xu氏は、DKSHおよび粤港澳大湾区国際臨床試験研究機構を含む複数のサービス事業者と連携し、本ワークショップを通じて海外展開に向けた協業可能性について協議を行いました。
香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア
同時開催した香港貿易発展局および香港メドテック協会の共催による「香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア」には、香港、中国本土、マカオ、台湾、オーストラリア、カナダ、韓国、ニュージーランド、米国、ベトナムなど10の国・地域から約300社が出展しました。また、スタートアップゾーン、医療機器・デジタルヘルス、バイオテクノロジー・検査診断、ラボテクノロジー・医療サービス、医療消耗品、ウェルネス関連など7つの主要ゾーンが設けられ、最新の医療技術およびソリューションが展示されました。さらに、地元大学、香港サイエンス&テクノロジーパークス、香港メドテック協会によるパビリオンが設置され、産学官連携によるイノベーション推進が示されました。
本展は、メドテック(MedTech)、ジェロンテック(GeronTech)、予防医療の3分野に焦点が当てられ、グローバルな研究開発機関、製造業者、医療従事者が最新の業界動向およびソリューションを紹介しました。スマートエイジング関連製品およびグリーンソリューションを出展する企業数は前年から倍増し、AIおよびロボティクスを統合した革新的ソリューションの展示が拡大しました。
【公式サイト】
アジア・グローバルヘルス・サミット: https://www.asiasummitglobalhealth.com/conference/asgh/en
プログラム詳細 : https://www.asiasummitglobalhealth.com/conference/asgh/en/programme
登壇者詳細: https://www.asiasummitglobalhealth.com/conference/asgh/en/speaker
香港国際メディカル&ヘルスケア・フェア:https://www.hktdc.com/event/hkmedicalfair/en
インターナショナル・ヘルスケア・ウィーク: https://internationalhealthcareweek.hktdc.com/en
写真ダウンロード: https://bit.ly/3pTmGI0
プレスリリース:https://japanese.hktdc.com/ja/press-release/PressRelease20260513MedicalASGHwrapup
香港貿易発展局の事業概要
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- 事業名
- 香港貿易発展局
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- 業種
- その他の業種
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- 事業内容
- 広報
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- 所在地
- 東京都千代田区麹町3-4 トラスティ麹町ビル6階
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- 電話番号
- 0352105850









